三菱の軽!?「ekスペース」が今熱い!人気の秘訣とは

三菱から販売された軽スーパーハイトワゴン「ekスペース」。「良い軽=eK」を作ろうという三菱が送り出した、このクルマは他のクルマとどこが違うのか?三菱が考える「良い軽」作りとは?ekスペースの作りこみ具合に注目。

もはや飽和状態とも言えるジャンルに満を持しての参戦か?


eKスペースは三菱・日産の合弁会社であるMNKVから軽スーパーハイトワゴンとして開発・販売されました。その販売開始はなんと2014年。このジャンルの先駆けとなった「ダイハツ・タント」は2003年ですので、実に10年以上も開きがあります。過去に三菱は独自で「トッポ」「eKシリーズ」等を手がけてきましたが、これらはタントよりも一回り小さい、ワゴンR・ムーブ等のハイトワゴンサイズに相当します。なお、OEMによる姉妹車である「日産・ルークス」はこの時はスズキ・パレットをベースとしています。
三菱・日産の合弁会社による共同開発ではありますが、それまで両社共に軽スーパーハイトワゴンは自社では作っていなかったということになります。その間にハイトワゴン市場は大きく変わり他社は新しいスタイルのハイトワゴンを開発します。「ホンダ・N-BOX+」「ダイハツ・ウェイク」「スズキ・ハスラー」…従来の家族向けの印象が強かったハイトワゴンに新たな「遊び」という概念がもたらされています。
そんな中であえて家族のための軽スーパーハイトワゴンとしてeKスペース。普通に登場しても「今更?」となるタイミングになること必至です。

伊達に「良い軽(eK)」を名乗ってるわけじゃない


さて、タイミングとしては遅れての登場となったeKスペースですが、押さえるべきところはしっかり抑えています。家族での使用を考えた「家族に33の思いやり機能」という形でその充実機能をアピールしていますが、その中で「子どもへの思いやり機能」というのが目に付いたので、確認したところ…「なるほど」と思わせる物がありました。
助手席にシートバックテーブルがあります。N-BOXには付いていましたが、軽自動車としては珍しいのでは?というよりも、もっとコレを付けた車種が増えてくれないのか…この手の車種というのは大人が座るにしても後部座席のほうが快適な広さだったりします。ここにテーブルが付くとなると…飛行機の座席ですかね?それよりももっと広々として快適ですが。
さらに窓には下より引き出すサンシェードがドア内部に装備されています。アクセサリーとしてカーテンを用意してることは多いですが、あまり目隠ししすぎるのも考え物…このサンシェードなら初めからドア内部に装備されているので、追加で用意する必要もありませんし、走行中に脱落と言う事もありません。その他細かなところでしかし確実に良い物を選んできています。

ただの軽自動車とは言わせない


しかし、細かなところではしっかりとしていても、その気になれば他のクルマでもできるし…なんてことで強いインパクトは出てきません。もっと斬新な装備なんかも必要です。そんな中小さな装備品である「リアビューモニター付きルームミラー」ですが、ただモニター付きってだけなら別に…と思いきや自動防眩機能付き。後方車両からのヘッドライトの光で眩惑しない様に、自動で光量調整してくれる物。高級車では良くありましたが、これが軽自動車で…しかも、このモニターはメーカーオプションでアラウンドビューモニターにも対応可能です。もはやこの大きさですから、この様な装備が嬉しい。
そして大きくなってしまった軽自動車でよくあるのが、空調の効きの悪さ。後部座席はなかなかその風が来てくれません。そんな大きくなってしまった軽自動車の欠点を解決すべく、リアサーキュレーターを採用。今までこの問題を何とかしようとアシストグリップにクリップ式の小さな扇風機なんかを使ったりしてましたが、これも不要です。残念な事とすれば、運転席からは死角になる位置にマニュアル式で搭載されているため、走行中は操作できないこと。運転席から操作できるようになれば…。とはいえ、エアコンの風を直接噴出すわけではなく、送風を目的とした物ですから、これぐらいがちょうど良いのかもしれません。
ekスペース。三菱が考える「良い軽」を見事に形にしたクルマだといえます。